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    アーカイブ サンデー毎日 倉重篤郎のニュース最前線 2026/01/28 倉重 篤郎
    倉重篤郎のニュース最前線 「私利私略」総選挙の争点は、高市リスクの制御だ どう変えるか 外交なき従米嫌中軍事路線
    半田滋、金子勝、山口二郎、佐高信、高橋純子が読み解く
    中道新党への評価と注文
    無責任財政による円安・金利高の悪循環
     高市首相の自己都合解散により、政局は混沌の中に投げ出されている。予算案が成立しないまま、円安・物価高は先行き不安なままであり、日中関係の改善は先送りされた。中道連合は、反高市の受け皿足りうるのか。5人の論客が徹底解読する。
     衆院が1月23日解散した。この総選挙、最大の眼目は、高市早苗氏を首相のまま戴(いただ)く三つのリスクと、我々国民がどう向き合うか、この一点と見た。
     その1は、外交なき従米嫌中軍拡リスクである。台湾有事を巡る自らの失言をきっかけにここまで日中関係が悪化しているのに、何の手も打ってこなかった。国会答弁での軌道修正、水面下の交渉、特使派遣など、取るべき道はあったが、それを怠った。本来すべき外交をしなかった。それどころか、嫌中ナショナリズムを煽(あお)り、それを政権求心力につなげるという禁じ手を使っている。防衛費・長距離ミサイル増強、武器輸出全面解禁という外交なき軍拡路線に邁進(まいしん)している。
     自ら習近平の中国と正対せず、トランプ米国に縋(すが)り付かんとの構えだが、米中のG2(両超大国による世界統治)体制化、米国の「西半球覇権重視・同盟国軽視」という世界の趨勢(すうせい)を見ていない。トランプの庇護(ひご)を求める対価が新たな国民負担になることへの洞察もない。何よりも、政治、経済、軍事とあらゆる意味で巨大化した中国パワーへの正当な評価がない。リスペクトもなければ、その真の脅威への恐れもない。一衣帯水の超大国との関係を自己都合で徒(いたずら)に不安定化し、1億2000万人の国民の生命、財産を危険にさらしている、とも言える。
    中道は高市制御の受け皿足りうるのか
     その2は、「責任ある積極財政」リスクである。財政節度を無視した積極財政、金融依存のリフレ志向、17分野での重点投資という成長戦略と、この3本柱は安倍晋三政権以来10年続いたアベノミクスの蒸し返しだ。異次元緩和政策の負の遺産を総括してない。特に中央銀行としての日銀に巨額の国債を背負わせ、金融引き締め機能を喪失させた罪についての認識が甘い。
     実際に、市場からの警告が出た。高市氏の消費税減税発言を受け20日の東京市場では、新発40年物国債利回りは一時前日比0・275%高い4・215%と史上初めて4%の大台を突破、長期金利の指標となる10年物国債の利回りも27年ぶりの水準に上昇、円が1ドル158円台に急落した。
     積極財政の加速による財政悪化が懸念され、円売りが膨らんだ。保有国債の急落で、体力の弱い中小金融機関の財務が悪化、借入金利上昇で政府や企業の資金繰りが厳しさを増すのは必至だ。この問題は米国における株、為替、債券のトリプル安とともに、先のダボス会議でも取り上げられ、片山さつき財務相は、日本の財政悪化を懸念する外国人記者から質問攻めに遭い、ベッセント米財務長官は「日本からの波及効果を切り離すのは難しい。彼らが市場を落ち着かせるはずだ」と述べた。日本に責任転嫁した米国からの圧力もかかってくるだろう。
     その3は、高市氏の政治家としての信頼性リスクである。その強気答弁が過去にも物議を呼んだ事例がある。総務相時代にテレビ局に対し停波を命じる可能性に言及した件では、その時の政府部内の経緯を記す文書が総務省から出てきた際、それを「捏造(ねつぞう)」呼ばわりし、国会を紛糾させた。自らの発言に責任を取ることなく、「強気」で乗り切ろうとし、結果的に矛盾を拡大再生産させる。今回の中国対応はまさにその悪癖のぶり返しであった。国家、国民の安全を道連れにしているだけ始末が悪い。
     今回の解散手法も邪道である。物価高対策最優先と言いながらその予算成立を遅らせる。内外政策行き詰まり、旧統一教会醜聞隠蔽(いんぺい)の浅知恵が透けて見える。自らの高支持率に目が眩(くら)み、争点論議の時間も与えず、伝家の宝刀を憲法の本来趣旨に反して振り回す。打ち出した政策はつまるところ安倍亜流で、解散会見の「国民に直接訊きたい」というフレーズは、小泉純一郎元首相による郵政解散の模倣である。正当性もオリジナリティーもない中で、白紙委任状を寄こせ、という、恐るべき魂胆である。
     ではこれらのリスクは、今回の選挙によって、制御、ないしは除去されうるか。ここは選挙結果次第、現時点では全くわからない。立憲民主党と公明党が中道新党を結成、それが高市政治のブレーキ役としての受け皿になるかどうか、という局面だ。もちろん、新党側にも問題がある。認知度の浸透がどの程度進むか。安保・原発政策でリベラル色が失(う)せた部分をどう補足し、従来支持者をつなぎ留めることができるか。
     これらの点を以下5人の識者とさらに深めたい。
    高市氏が謝罪して辞任するしかない
     まずは半田滋氏(防衛ジャーナリスト)。外交安保面での高市リスクとは?
     「高市政権は、ブレーキ役だった公明が消え、維新と連立を組んだため高市氏の本来のタカ派色が前面に出てきた。自民・維新の連立合意を見ると、安保関連項目がズラリと並…



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