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    アーカイブ サンデー毎日 倉重篤郎のニュース最前線 2026/03/09 倉重 篤郎
    倉重篤郎のニュース最前線 「高市1強」リスク顕現 3つの壁を金子勝、石井暁、山崎拓が警告
    金子勝・慶應大名誉教授、石井暁・共同通信編集委員、山崎拓・元自民党副総裁
    マーケットの警告/日中関係どん詰まり/巨大与党ガバナンスへの不安
     衆院選での圧勝を受けて、「高市1強」政権が始動した。高市首相は「国論を二分する政策」の実現に意欲を示したが、高市政治、そして日本の行く末には何が持つのか? 市場からの警告、日中関係の軋(きし)み、党内ガバナンスという三つの壁について、3論客とともに考える。
     自民党の歴史的大勝を受け「高市1強」が始動した。高市早苗首相は、記者会見で「政策転換へ(国民から)背中を力強く押してもらった」と、積極財政や軍備強化など、高市カラーをフル稼働していく考えを強調したが、果たして思惑通り進むのか。ことはそれほど簡単ではない。三つの壁が立ちはだかっている。
     一つは、マーケットの壁だ。高市政権にとっての最大の敵かもしれない。高市積極財政政策を警戒して日本国債が売られており、40年物国債など超長期金利は4%台を超え、10年物国債は2%台だ。警戒すべきは、国債格付けの格下げだろう。ハードランディングになる可能性がある。アベノミクスの負の遺産により、日銀が金融引き締め機能を発動することができず、日本経済を円安と輸入インフレの悪循環に陥らせている基本構造には変化がない。これに株安局面が加わればトリプル安で、第二のトラスショック(当時の英首相が放漫財政で市場から退場勧告)は十分ありうる。
     注目すべきは、この選挙戦を通じ、経済アナリスト、専門紙が高市積極財政に対し明確な疑義と警告を突き付けたことだ。みずほ銀行の唐鎌(からかま)大輔チーフマーケット・エコノミストは、高市氏の円安容認発言を厳しく批判(2月2日)、日経新聞の社説は、日本財政を「行き過ぎた緊縮」と形容する高市発言を批判、減税政策がポピュリズムであると断じた(1月20日)。問題は、今回の選挙結果が、この高市氏の危うい路線の「背中を強く押して」しまったことだ。そのツケはどう出てくるのか、金子勝慶應大名誉教授に論じて頂く。
     二つに、日中関係の壁だ。高市氏の台湾有事を巡る失言以来、お互いに突っ張り合って、関係悪化は深刻だ。レアメタルの輸出規制など、経済問題も心配だが、最大の懸念事項は、軍事情勢の緊迫化だ。昨年12月6日、沖縄本島南東の公海上空で、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、航空自衛隊のF-15戦闘機に対し断続的に2度のレーダー照射を行った問題は、双方の非難の応酬に終わり、いまだに外交決着がついていない。制服同士のホットラインも機能しておらず、一触即発の偶発的事故が起こる可能性があると専門家は警告する。
     何らかの暴発があった時に、日中間はどうなるのか。習近平中国と対話パイプのない高市氏に外交的に収拾する危機管理ができるのか。トランプ米国に縋(すが)り付いたとしても、中国とのG2(米中両超大国による世界統治)体制を握っているトランプ氏が日本側にどう出てくるのか。高市政権にとってもだが、日本国にとっても文字通りの存立危機事態とも言える局面になろう。軍事専門家の石井暁(ぎょう)共同通信編集委員に聞く。
     三つ目が、巨大与党ガバナンス(統治)の壁である。300議席を超える勢力は、味方にもなれば敵にもなる。歴史が物語るのは、自民議席のバブルは必ずやはじける。慢心の中、足の引っ張り合いが始まる。中曽根康弘政権の1986年ダブル選挙(衆院自民300議席)がそうだった。増税(売上税導入)に挑戦したが、党内からの反乱で断念、政権も手放した。小泉純一郎政権の2005年の郵政解散(自民296議席)も、その後は安倍晋三政権の参院選大敗がたたり、安倍、福田康夫、麻生太郎と1年短期政権が続いた挙句、民主党政権に引っ繰り返された。派閥もなく経験もない高市氏が大政党を本当に統治できるのか。山崎拓元自民党副総裁に聞く。
    日本市場は国際金融資本の餌食に
     まずは金子勝氏だ。
    「高市政権の最大の野党は国際金融市場だ。皮肉なことだが、市場原理主義が一番の敵になっている。その表れが1月20日のミニトラスショック(為替、債券、株トリプル安)だった。これは米国にまで大きな影響を与えた。ブルームバーグの分析によると、円キャリートレードが時限爆弾的に逆流したと言う。それまでは、低金利・円安の資金を調達し、欧米の高い債券、証券を買っていた資金が、日本の長期金利が上がった瞬間に逆回りし、その結果米国の国債価格が落ちて、金利が上昇した」
    「ベッセント財務長官がダボス会議で片山さつき財務相に注文を付けたのはこのためだ。『積極財政はいいが、国債の値が下がり、金利が急に上がるような真似(まね)はよせ。ちゃんと増税、ないしは利上げしろ』という話だ。その一方で米国は日本の防衛費をGDP比3・5%にし、その財源を探せとも言う。日本は振り回された挙句、財政事情を悪化させ、円安と物価高の悪循環を加速させることになる」
    「市場攪乱(かくらん)の背景には、BIS規制により、評価損申告が必要で国債を銀行が持ちにくくなっているとの事情がある。その結果、30兆ドルといわれる膨大な公的債務をファンドが持っている。昔の安定的な銀行中心のシステムではなく、ファンドが証券で金を調達して長期の証券に投資したり、超低金利の資金を円安で仕入れて、円を売ってもうけている。逃げ足が速い瞬間勝負だ。先物取引で雪崩(なだれ)をうって、オーバーシュートしてくる。ブルームバーグの試算によると、日本国債のボラティリティ(変動率)は2021年水準から25年には3倍超に跳ね上がっており、それを使ってファンドがもうけている。ある意味日本市場が国際金融資本の餌食になっている」
    軍事と原発では経済成長しない
     財務省はどう見ている?
    「さすがに危機感を持っている。マーケット対応だけではない。財政運営が厳しくなっている。超長期債が売れなくなっている。短期債中心でも楽ではない。金利は当面は低いが、上がってくると自転車操業で苦しくなる。償還期限が短いからどんどん高い金利調達になる。目先はいいがすぐ息切れする。そういう状況がまもなくやってくる」
     植田日銀はどうか?
    「植田和男総裁はさすがに…



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