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    アーカイブ フェロー・早田 秀人 エッセイ「思索の散歩道」 2024/04/01
    エッセイ「思索の散歩道」
     そぞろ歩きを愉しんでいる時、流れ星に人生を重ね、ふと心に浮かんだ懐いを書き尽くそうと思います。
    二条河原の落書
     建武2年〈1335年〉8月、京都・二条河原に建武中興政府の政策や当時の世相を風刺する落書板が立てられました。落書の筆者が特定されることはありませんでしたが、政府の打ち出した新政策が従来の社会制度や慣行を無視したことをはじめ都を横行する恩賞目当ての武士の姿や成り上がり者の異常な振舞いなどを七五調で揶揄しています。公武寄合政権の無方針や不当な論功行賞など当時の政治と世相が嘲笑的な調子で「建武年間記」に認められています。二条河原落書の書き出し部分を紹介しましょう。
     「此頃都ニハヤル物、夜討強盗謀綸旨、召人早馬虚騒動、生頚還俗自由出家、俄大名迷者、安堵恩賞虚軍、本領ハナル訴訟人、文書入タル細葛、追従讒人禅律僧、下剋上スル成出者、器用堪否沙汰モナク、モルル人ナキ決断所、キツケヌ冠上ノキヌ、持モナラハヌ笏持テ内裏マシハリ珍シヤ、賢者カホナル伝奏ハ我モ我モトミユトモ、巧ナリケル詐ハヲロカナルニヤヲトルラム、為中美物ニアキミチテマナ板烏帽子ユカメツツ、気色メキタル京侍タソカレ時ニ成ヌレハ、ウカレテアリク色好・・・(後略)。
     二条河原の落書の歯切れ良い音律を模して当世の世相を落書きしてみましょう。
     「スマホ、ガチャガチャ、ノウハウ本、人は話し方9割と舌の根乾く間もなしに、人は聞き方9割と、なればどちらを信じるか、左をむいたり右みたり自ら決めることもなく、浮草同様“人流“の流れに浮かぶ、フェイクニュースにSNS、インスタグラムは度を超えて、終には寿司屋で大騒ぎ、山火事台風ハリケーン、ゲリラ豪雨を前にして怯えてアラートなんのその、被害の確認いざ征かん、勇んでみたが流されて、行方不明か溺れ死、保険は貰えず泣き寝入り、外交苦手な日本は八方美人を決め込んで、海外支援に札束重ね、財政赤字も何のその「給付、給付」とばらまく始末、詐欺も巧妙オレオレと、身内を装い金を盗る、似非(えせ)宗教は教祖さま金襴緞子の身をかざり、居もせぬ神に願いごと、集めた喜捨は懐に神も仏も守銭奴か、会議は踊る議題は霞むトドのつまりは顔合わせ、咳に逃れたリーダーは、庶民に笑顔を振りまいてサッササッサと帰国の途、忘却が罪とは知りながら悲しいことや苦いこと、喉元すぎれば忘れてしまう、人の性(さが)とはいうものの醜い姿はあさましや」
     
     



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