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    アーカイブ 秋田朝日放送 コラム 2017/10/13 桜井 元
    反田さんの手の感触(秋田朝日放送ホームページコラム『戯れ言 たわ言 ひとり言』を加筆・修正)
     反田恭平さんのCD「月の光-リサイタルピース」(日本コロムビア)を休日にゆっくり聴いた。2017年8月31日、秋田市のアトリオン音楽ホール(客席数700、車いす席4)であったリサイタル(主催・秋田朝日放送)で喝采を浴びたドビュッシーの「月の光」、ショパン「別れの曲」、アンコールにこたえたシューベルト「即興曲」(CDの4曲のうち1曲)とシューマン「献呈」の4曲がこのアルバムに収められている。
     中学生の時、「即興曲」(のうち2曲)を弾いたことがあるが、反田さんの演奏は、軽やかな疾走感に満ちて、まったく別の曲に聴こえた。逆に、「月の光」は、ゆったりとしたテンポで始まり、心地よい緊張と癒しを最後まで感じさせてくれた。
     反田さんと公演の前と後、2回握手をして、フワッと柔らかく、小さめの手のどこにパワーが潜んでいるんだろうと感じたが、練習量がすごい、ということを後で知った。リハーサルだけでなく、公演後も、ホールの規則で許される限り、控室のピアノを弾き続けたという。スタッフの皆さんも空腹を我慢して、反田さんが納得のいくまで、練習終了を待ち続けた。
     スタッフの中には、満席の聴衆が静かすぎると感じた人もいた。が、反田さん自身は「みんな集中して聴いてくれている」と分かっていたそうだ。秋田の音楽ファンは、本物を聴き分ける耳を持っている。
     「来年もぜひ秋田へ」と反田さんにお願いした。響きのよいアトリオン(残響時間は空席時2.5秒、満席時2秒)で、またあの感動に震えることができる――そう信じて「再演確定」の返事を待っている。
    (2017年10月 秋田朝日放送ホームページのコラム『戯れ言 たわ言 ひとり言』を一部修正、再掲しました)
     【追記】この小文の翌2018年8月、反田さんの秋田再演が実現。2020年には、務川慧悟さんとのピアノ・デュオ公演をコロナ禍のため延期・振り替えて12月にアトリオン音楽ホールで開催した。さらに21年5月、由利本荘市でオール・ショパン・プロの反田さんの演奏会があり、同年10月、ワルシャワで開かれた第18回ショパン国際ピアノコンクールでの2位の栄冠につながっていった。
     コンクール後も、反田さんは22年11月、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)を率いて秋田(同ホール)、盛岡へ。今年11月30日には、アラン・ギルバート指揮NDR(北ドイツ放送)エルプフィルハーモニー管弦楽団とともに、あきた芸術劇場ミルハス(大ホール2007席、昨年6月開館した県・市共同のステージ)に初めて登場する(7月1日から前売り開始です)。
     反田さんの秋田での演奏、JNO盛岡公演にも、秋田朝日放送が関わり続けている。2017年以来の縁を大切にしていただいているようで、とても嬉しい。    (2023年6月)



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