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    アーカイブ やぶ睨み「ネット社会」論Ⅱ 2021/05/30 内海 善雄
    「あほらし屋の鐘が鳴る」オリンピック
     オリンピック開催は、国民の大半が反対し、諸外国の主要メディアからも批判されて、大義名分がないことは明白だ。しかし、IOCが、何が何でも開催しようとすることはよく分かる。中止したなら、金筋を断たれ、栄華を享受できなくなるからだ。
     ところが、菅総理と、機を見るに敏なる小池都知事もが、中止の検討を一考だにしないのは何故だろうか。多くの国民の生命が危険にさらされ、多額の追加費用も必要で、得になることは何もない。太平洋戦争の末期、戦況や国の疲弊を知っていた為政者たちが、戦争を止められなかった状況と酷似していないだろうか。日本は、丸山眞男が的確に分析した誰も責任を取らない「無責任体制」の蔓延である。
     太平洋戦争は、勝てるわけがないことは皆分かっていた。が、どのような犠牲が起きても、自ら終戦の道を選ぶことはできなかった。原爆投下と天皇の聖断によってやっと終了したのである。さて、オリンピックはどのような力が動くと中止することができるのだろうか?
     現憲法下では、天皇の聖断はありえない。聖断に代わりうるものとして、考えられるものは外圧である。
     6月中旬にイギリスで開催されるG7サミットで各国首脳に批判されて中止に追い込まれると読む者もいるが、それはないと思う。なぜなら、首脳たちは「バカな日本」と個人的には思っていても、無理矢理に中止させるほど自国に利益がない上、そもそもサミットの決議事項はシェルパ(サミット担当外交官)たちの事前の調整で決定されるものだからだ。
     コロナ禍も、国民の予防意識やワクチンの接種で、そこそこにコントロールされており、原爆ほどのインパクトを与える状況には至ってない。各国の選手団は、事前合宿は中止しているものがあるものの、大会には参加する予定である。ほんのごく少数の選手が個人的に不参加を発表しているが、誤差のレベルである。
     唯一あり得る道は、海外の識者やメディアの批判が、燎原の火のごとく広まり、ボイコット選手が続出して各国の選手団の構成が難しくなることではなかろうか。しかし、海外メディアも識者も、所詮は、あまり利害関係のない「バカな日本」のことであって、反対に熱が入らないだろう。選手たちも4年に一度の貴重な機会であり、よほどのことがない限り放棄はしないだろう。
     したがって、誰にも祝福されず、国民に生命の危険や多額の負担を強いても、「平和の祭典」と叫ばれてオリンピックは開催されるのである。まこと、日本中に「あほらし屋の鐘が鳴る」のである。
     



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